Googleより招待を受け、3月22日に行われたエンハンストキャンペーンのセミナーに参加して来ました。少し更新が滞っていましたので「イツの話だよ!」とツッコミが飛んで来そうでもありますが・・・。
セミナーの内容に関しては目新しい情報が満載という訳も無く、既にネット上で公開されている過去のセミナーの内容がほとんどでしたのでココにUPするほどではないだろうと気に留めていなかったのですが、過去ブログに記述しているデータもありつつで社内での情報共有用にレポートを作成しましたので内容をUPしようと思います。
■Google_上級副社長兼最高事業責任者曰く■
デバイスは「コンテキスト(状況)」、すなわち消費者が情報を探す「背景」について理解するための手段。「どのように」「いつ」そして「なぜ」使用するのか?
「モバイル」は外出中、「タブレット」は自宅のソファーの上、デスクトップPCは職場とGoogleは認識してきた。が、複数のデバイスを所持するユーザーの増加に伴い、デバイスを切り替えつつ常にインターネットに接続し続ける、複数のデバイス画面を「同時に」使用する、新たなマルチスクリーン時代が到来している。
そしてそれはデバイスの境界性を曖昧とすると同時に従来のコンテキストの定義をくつがえすマルチデバイス化を進めた。
■マルチデバイス化がもたらした物はマーケティング要素の複雑化である■
・形式、機能の増加
・場所、用途によるデバイスの使い分け
・技術の追従による新たなCV計測法
詳細なデータの獲得が可能になるに伴い、推測しうるCVに対し要素も増加。結果複雑化した。
検索エンジンはユーザーが求める情報に辿り着く事を趣旨としたツールとして存在している。
【ラリーペイジ曰く】
『ユーザーが求めている情報なら広告も有益な情報である』
この趣旨により、マルチデバイスにエンハンスト(強化・特化)したキャンペーンとして過去類を見ない規模である大幅な仕様変更、アップグレードが行われた。
それが今回のエンハンスとキャンペーンである。
■エンハンストキャンペーンに対する批判■
エンハンストキャンペーンへのアップグレードをする事により、スマホ専用キャンペーンが作成できなくなる(PC用のキャンペーンの中で運用する)。
これに対して、簡素化されて使いやすくなるという Google 側の主張とは裏腹に、「コントロールと透明性を失うのはどうか」という反論が巻き起こった。
「スマホ用広告を強制されているようで嫌」、「面倒かも…」、「ただの金儲けに走ってる」といった批判が多かった。
何故「ただの金儲けに走ってる」と非難されたのか?
Adwordsのみならず検索エンジン依存のモバイル出稿に関しては効果が媒体差は有るが、低いとされての予算の削減・広告の停止が他デバイスより多くマイナスイメージが強く、実際PC・タブレットに比べCVRの低下を招く要素が多く含まれている。
■キーマンズネット調べ■
20130131~20130207 アンケート結果(サンプル728人)
※ネットショッピングを行う際のデバイスのアンケート調査
PC:92%
モバイル:8%
という統計が出ている。
書籍のような「どこで購入しても大差の無い物」に関してはスマホで購入する
が、「比較対象の必要な個体差の有る物」の購入はスマホではしないという意見が多数。
じっくり考えて購入する物に関してはスマホは不向きで「探す為のツール」という認識が強い。
探す為のツールとモバイルが認識される=クリック課金で有るリスティング広告は肩身が狭い。
探す行動をユーザーは取る為広告費は消費する。
が、モバイルコンテンツでない限りCVRは低下する特性に偏る傾向が有る。
運用者はロスを省く為にCPAの高い広告に対する予算は縮小せざるをえない。
クライアントを持つ外注業者は尚更、結果が計測できないがために「検索ユーザーにリーチしている」という貢献度は無視されコストの高い広告として切られて行く。
■AdWordsモバイル検索消費者動向データ■
AdWords、英語版公式ブログにて
6000人以上のモバイル検索をサンプルとした消費者動向データ
モバイル検索の77%が自宅・職場にて行われている
・検索結果より、さらに検索を掛けるユーザー 36%
・検索結果より、サイトへの訪問 25%
・店舗への訪問、来店 17%
・サイト内での購入 17%
・電話での問い合わせ 7%
・1時間以内にCVに繋がる率 55%
また、店内で顧客が検索を掛ける率は2倍になる
※ここまで利用頻度の高いデバイスが計測できないという理由から切られている
■これに対しスマホ業界は?■
株式会社サイバーエージェントの連結子会社、株式会社CyberZの調べより
2012年のスマホ普及台数 4000万台 それに伴い広告市場も急拡大
2011年-249億 → 2012年-856億 前年比343%
予測:2013年-1166億 → 2014年-1528億 → 2015年-1842億 → 2016年-2056億
以上の要約すると、※モバイル=スマートフォン
①Googleの趣旨として検索エンジンはユーザーが求める情報に辿り着く事を趣旨としたツール
②「ユーザーが求めている情報ならば広告も有益な情報である。」
③モバイルは「探す為のツール」と統計結果が出てしまっている
④モバイル業界は成長期でこの消費者動向を無視することはできない
⑤業界成長に比例しモバイル技術も成長
※※※今回のセミナー担当者曰く※※※
本来AdWordsが配信を行うべきターゲットはデバイスではなくその先のユーザーである
昨今、デバイスの境界が曖昧になり配信を行うべきターゲットに向かい修正を行っただけである
総括:AdWordsのシステムが開発時に存在しないデバイスの急成長がPCシェアを凌駕し、対応を必須と考えた自然な流れである
■エンハンストへのアップグレードによる変化■
現在、エンハンストキャンペーンへは転換期であり、6月には完全に移行する
具体的にどういうことができるようになったのか?
・ターゲティングの強化
GPS機能の普及に伴い、設定住所より半径何m単位での設定を行い、単価の調整が可能
また、同上の機能を用いて指定範囲内の広告文を変更することも可能、時間指定も可能。
・コールメトリクス
Gmailにはチャット機能が有りGトークという電話の発信が可能
※現在はアメリカ・イギリス・ドイツにて先行導入(日本でのローンチは未定)
これを用いて問合せ入電の計測をシステム反映が可能
・デジタルダウンロード
アプリのダウンロード数を計測し、CVとしてシステム反映が可能
・実店舗での購入計測
現在日本は未実装だが、AdWordsを通じた割引クーポンの発行等を用いての計測
・クロスデバイスコンバージョン(トラッキング)※6月実装予定
スマホでのアクセスからタブレット・PCでのCVが計測可能になる
※但し、連動するアカウントの同期が行われている前提
クッキーを用いて行う為に完璧に計測は不可と思われる
■Googleが目指していること、行っていることとは■
Googleが目指していること、行っていることとは
「広告もユーザーが欲すれば情報である」という企業理念を持っており
「ユーザーに対し検索エンジンを最適化している」いるだけである
※※※「いつ」「どこで」が「キーワード」を「デバイス」で検索した。※※※
14:00に、デパートで、バッグをスマホで検索した
21:00に、住宅街で、バッグをタブレットで検索した
22:00に、地下鉄駅構内で、バッグをスマホで検索した
同じキーワードでも実店舗とネットショップのどちらをユーザーが求めているのか?
○○店限定モデル・送料無料・深夜のタイムサービス、どの文言が刺さるのか?
ここ迄を踏まえての最適化をGoogleは目指している。
内容としてはこの通り。後はエンハンストキャンペーンへに対してアカウントの移行準備のお願いが有ったのとウェビナーに関するアンケートが有った程度で身構えて予習して行った本人としては少し拍子抜けでした。