【ペルソナ】 架空顧客像 石橋を叩いて砕く

新規の案件、ヒアリング前に予習を行い話の種探し。
どういった業種なのかを調べてインプット。
今話題の某業種、TV取材されたり芸能人起用の競合サイトも有る。
実際利用しているユーザーへのインタビューでの反響。年齢層に性別、用途はどうか?
ネット上での反響にネガティブワード等マイナス要因と調べて行き、ペルソナを固める。
検索の多そうなキーワードを提案材料としてクライアントと話して…

と、それは「ペルソナ」ではなく「思い込み」や「先入観」になってませんか?

単純というか、やはり自身が目で観て確認した情報は強く、TVで放送されていた際の顧客の性別・年齢層が、この業種のユーザー層として刷りこまれていたという実体験を元に書いてみました。
実際の顧客層を確認したら全然違いました。


ペルソナ:架空の顧客像 の作成の為に必要とされる物
「裏付けとなるデータ」(主にアンケートや顧客データ)から、年齢・収入・家族構成といった顧客層を絞り込み、偏りが発生しないようにサンプルとなる価値観、個人情報を抽出。サービス利用時の行動の観察なども採取。といった定量・定性的な情報より作成。
※名前・住所・年齢・価値観・考え方も考慮。


常識的に考えてここまでのデータ収集はなかなか難しくは有り、クライアント側、インハウスであれば広告の出稿データから推測しユーザー層を固めて行く処迄でしょうか。
が、仮にここ迄のデータを集めることができたとすればユーザーの動向を想像し易くなり、動向が見えればニーズが見える。また、顧客像が固まっていれば施策・方針にブレが生じ辛く、他部署との連携が必要となる商材でも的確な対応が可能で、それは適正な成果に反映されやすい。

外注のリスティングであれば、しっかりとヒアリングを行えば広告の外注を出そうという方々が相手。ビジネスモデル、既存の顧客のデータ、ターゲット層といったプロモーションに対する明確な成果地点、目標点の提示を戴けるでしょうし、引き出せるはずです。

予習は大事、推測も大事。けど決め付けになったら「石橋を叩いて砕く」になりかねないというお話でした。

エンハンストキャンペーンの背景(モバイル検索の消費者動向)

モバイルの即時効果:モバイル検索変換の半分は1時間で起こる

これはアドワーズの英語版公式ブログの記事。
6000人以上のモバイル検索をサンプルとして消費者動向を割り出したデータが記載されていました。
結果が以下の通り。


■モバイル検索の77%が自宅・職場で使われている

 ・検索結果より、さらに検索を掛けるユーザー 36%
 ・検索結果より、サイトへの訪問 25%
 ・店舗への訪問、来店 17%
 ・サイト内での購入 17%
 ・電話での問い合わせ 7%
 ・1時間以内にCVに繋がる率は55%
 ・店内で顧客が検索を掛ける率は2倍になる

※翻訳より抜粋してますので不備が有ればご指摘戴けると幸いです。


「モバイル検索の77%が自宅・職場で使われている」という点は自分の行動を振り返り納得。
確かにPCの電源をONにして立ち上がりの時間をもどかしく感じる為にスマホでの検索を多々使用している傾向が有り、PCの電源を入れた時にはスマホに同期させていないメールアドレスの受信数に溜息することが最近良く有ります。
会社でもプライベートの事だけにPCは使わずスマホでの検索を用いた方が、「後でじっくり読もう」とブックマークの量産をし易い点が有り、自分でも意識せず利便性の面でスマホへの移行を感じます。

「来店」も、店の場所を知りたくて検索を掛けた記憶が有りますし、「購入」に関してもキャリアを介して簡単に決済できてしまったりする為、需要が有るのにも納得。「電話」も Click-to-call を実際使用した経験も有るし、合間に手元で操作できる為、1時間以内のCV集中もなるほどです。
店内の検索も、ECサイトで見た商品の実物を確認したくて来店した時に店員さんに画像を見せて…とか、家電に関しては他店の値段を検索したりもしました。

別に意識している訳でもなく、自然と利用頻度が上がっているのは利便性に他ならず、前述の「来店」…以降の部分に関しては明らかにニーズの有る顧客の行動でCVRの高い、もしくはCV前提のユーザー層に他ありません。
そしてこのニーズの有る顧客に対してのプロモーションを特化させた配信方法が多分に盛り込まれて来ているのがエンハンストキャンペーンの追加仕様に強く感じられます。

スマホ業界の成長も目まぐるしく、



CyberZ、スマートフォン広告市場動向調査結果で2012年の国内規模は856億円に急増

2012年のスマホ普及台数 4000万台 それに伴い広告市場も急拡大
2011年-249億 → 2012年-856億 前年比343%

予測:2013年-1166億 → 2014年-1528億 → 2015年-1842億 → 2016年-2056億

※個人的にはどういう根拠に基づいての予測値かが気になる数字ではありますがそれを知って理解できるかは不明(汗)


【2012年広告商品別内訳】
リスティング広告-534億 構成比-62.4% 前年比395.6%
ディスプレイ広告-210億 構成比-24.5% 前年比269.2%

※ゲーム・電子書籍等のコンテンツ、不動産・旅行等のサービスプロモーション需要が伸びた
成果報酬型広告-112億 構成比13.1%


パズドラの大ヒットでウハウハのgunghoはこの普及率の上昇を上手く乗りこなしたんでしょうね。

この流れから最近良く思うのが、デバイスによるユーザー層の偏りが起こりそうという点。
自分目線でスマホに関して色々と書いてますが、法人視点ではなく個人視点が強いと感じ、過去ガラ携でも有った商材によっての向き不向きが今まで以上に顕著になって来るのでは?と感じます。


スマホでのECサイト利用は不安?9割以上がPCで買い物をする理由

これはECサイトでの買い物に対し、スマホでの買い物をするかどうかというアンケート。
こちらの内容からも見て取れる要にどちらかというとスマホは「探す」為のツール。購入に繋がるのは書籍のような「どこで買っても同じ物」で、個体差が有る物で店によって価格が違ったり、カバンでもそれぞれデザイン・材質が違うといった「比較検証が必要」な物に関しては写真が大きく表示されるタブレット、複数のブラウザを開いて見比べられるPCが強いという結果が出ている。

※BtoBの商材は「比較検証が必要」となる物が多い為、PCからのCVが確実に多くなると思われます。


リスティングの運用のみならず、広告運用をするに当たって大切なポイントは、スマホは「探す」ツールとして特化しているということ。たとえBtoB商材だとしても、比較検証に入る前にスマホで探す行動を取られている可能性は大いに有りうる訳で、現在ではスマホで探す行動を取った後にPCでCVしているユーザーの経路を辿ることはできません。
無駄な露出を精査してCPAを下げ、効果を上げるというのが生業のListingプレイヤーは頭を抱える処ではありますが、今回エンハンストキャンペーンの仕様追加の中に

クロスデバイストラッキング:コンテンツを異なるデバイス間で流通できる
※ECサイトでスマホからアクセスしたユーザーがPCでCVした等の流入経路の追跡が可能

という物が存在し、6月末迄にローンチ予定となっていますのでこれに期待しています。
また、現在日本でのローンチ予定が無いのが悲しい処では有りますが、アメリカ・イギリス・ドイツでは通話コンバージョントラッキングが実装されており、一定時間以上の通話が発生した場合にそれを成果として返すといった仕様になっている模様。(アフィリエイターは問合せが成果地点の案件も勢力的に受注できそう)


GMO NIKKOからは
「電話コールコンバージョントラッキング機能」のサービス提供を開始

と、アドゲイナー株式会社のコールトラッキング技術を GMO DSP(ディスプレイ広告)に実装。
広告貢献度可視化に取り組んでいる。


Googleがエンハンストの発表をした時点で賛否両論激しく、売上の少ないモバイルを強化する為の口実と批判した人も沢山居たようですが、こうやって書き出してみると「これだけの変化なら対応しようとしない方がダメなんじゃ?」とも思うのは自分だけでしょうか?

この流れに取り残されないようにしないと・・・ですね。

O2O

「O2O」を初めて目にした時は2が鼻で顔文字っぽい文字列?と思いましたが、正式には「Online 2 Offline」オンライン・ツー・オフライン、オーツーオーというIT用語。
オンラインでの宣伝が実際の店舗、オフラインに影響を与えることを指す語句で企業間取引を指すB2B(Business to Business)とかB2C(Business to Customer)、こちらは企業・消費者間の取引を指します。
同じ「O」でも意味合いが正反対なところが気持ち悪い略語では有りますが、最近チェックした記事の中にリマーケティングを用いたO2Oの成功事例が掲載されていました。

こちらは物販(洋服)の事例で、来店したお客様に店舗HPにアクセスして貰いリタゲを用いて広告表示を行う「リピーターの獲得」を行った物で、来店数は前年比2割増・売上3割増を記録したそうです。

リタゲの成功事例としては、ラーメン屋での成功事例は耳にしており、そこにしかない個性が有る食べ物、食欲という日々日常的な欲求の中の選択肢としての訴求。実際に検索歴の有る人が「ネットを見ていたら好物が表示されて食べたくなる。」というリタゲの性質を生かした事例。
今回の「実店舗の購入者」を「リピーター」に変換し、より売上に結びつき易い潜在層の獲得をわずかな工夫から実現した事例は、購入者に対してのメルマガの登録・獲得に酷似すると感じた訳ですが、購買意欲の無い時に配信されるメールに拒否設定をされるといったことも無く、ネットサーフィン中にさりげなく表示され。潜在層を刺激するところが「上手いな」と感じた訳です。

効果が上昇するわずかな工夫でがどこかに落ちてるかも!とアンテナ磨かなきゃと思った記事でした。